ヨーロッパ旅行特集

ヨーロッパの豆知識

セビリアの大聖堂と美術館


セビリアの大聖堂は回教寺院の跡地に建てられたスペインで最も大きいゴシック様式の建物だ。 中に入ると、その内部の豪華さに圧倒される。 最初に大聖堂中央にパイプオルガンと聖歌隊席が、またその周囲には小祭壇が並んでいる。
さらに聖歌隊席の奥中央にある、大聖堂で最も重要な宝物である中央祭壇の巨大な飾り衝立は、息を飲むほどの美しさだ。

セビリアの立ち寄りスポット

美しさのあまりキリスト教徒も壊せなかったのがヒラルダの塔。 塔へは大聖堂の中の通路から行くことができる。 ヒラルダとは風見のことで、風を受けて塔の先端(人または動物の形をしている)が回転することから名付けられた。 町のあちこちからいろいろな角度で眺められる塔の姿は、余りにも象徴的であり、その夜景は幻想的だ。
そして、大聖堂から北方向に400mほどに セビリア美術館(Museo de Bellas Artes) がある。 セビリア美術館はマドリードのプラド美術館に次いで多くの名画が陳列されている、スペインNo.2の美術館。 ツアーでは中々時間がないが、駆け足でも見てくるには絶対価値のある美術館です。

セビリア美術館の主な作品

アンダルシア州のなかでも、セビリアの町の活気は際立っている。 大西洋に注ぐグアダルキビル川の上流わずか80km程度という良好な立地条件が、コロンブスのアメリカ新大陸発見以来、新大陸との交易窓口として栄えてきた要因になっている。
1992年には国際万国博覧会が開催されて世界中から注目を集めた。 また毎年4月には、世界中から観光客が集まる春祭りが開催されていて、スペインでは、バルセロナに次ぐ国際色豊かな町である。

セビリアの主な芸術家と作品
  • オペラのロッシーニ作曲「セビリアの理髪師」
  • モーツアルト作曲「フィガロの結婚」
  • ビゼー作曲「カルメン」の舞台
  • 画家ベラスケス、ムリーリョの生地

セビリアの旧市街は、町を北から南に流れるグアダルキビル川の左岸に発達した。 セビリアの町に入ると最初に出会うのがこの川。 遊覧船も行き交い、椰子の木などの南国の木々も植えつけられ、セビリアの明るさを印象づけている。 左岸のクリストファー・コロンボ遊歩道には、セビリアのシンボルのひとつ黄金の塔(Torre del Oro)が立っている。 散歩道沿い200m上流には、マエストランサ闘牛場がある。

セビリア市内散歩の一息に冷たいスープ

セビリアのシンボル、黄金の塔の傍のサン・テルモ橋を渡ったところにティオ・ペペというレストランがある。 眺めもいいので、散歩の休憩におすすめ。セビリア名物のガスパッチョ(冷たいスープ)の試食はいかが。

塔から川岸の500m程下流には、マリア・ルイザ公園がある。 そこの奥には美しいイサベル・ラカトリック通り(Avenida Isabel la Cat'olica)とユニークな半円形の建物に周囲を囲まれたスペイン広場(Plaza de Espana)がある。 広場前の公園で、おじさんが屋台で鳩の餌を売っていた(1袋1.5ユーロ)のでそれを撒いたら、沢山の鳩が舞い下り一羽が肩に止まったのを思い出す。 広場は半円形の池で囲まれた中の島で、中央に噴水があり、全体を同じく半円形の建物がすっぽりと取り囲んでいる。
建物の1階は美しいアーチで作られ、建物が水鏡のように池に映る姿が美しい。 セビリアの宿泊は駅(Estacio'n de Santa Justa)に近いAグレードでアメリカンスタイルの メリア・レブレロス(Meria Lebreros)ホテルがおすすめ。

スペイン広場までは徒歩15分ほど。 ホテルからエデゥアルド ダート(Avenida Eduardo Dato)通りをグアダルキビル川に向かって15分ほど歩くと、セビリア観光の中心地、 大聖堂とヒラルダの塔(Catedral y Giralda)、アルカサール(Reales Alcazares)サンタ・クルス地区(Santa Cruz)に出る。

あちこちに点在する広場を中心に、狭く曲がりくねった迷路のような小石道の散歩は、実に異国情緒タップリ。 通りや広場に面して、教会や鉄の門を持った白壁の家々が立ち並ぶ光景は、時間が経つのも忘れてしまうほどの異空間の世界だ。
狭い道の両側には、どの店も趣きタップリのバーやレストランが並んでいる。 美しいタイルで飾られたベンチにすわり、コーヒーとタパスを味わいながらのひと時は、中世の時代にタイムスリップしたかの錯覚にとらわれる。
バーやレストランは通常12:30~16:00、20:00~24:00オープン。 スペイン流の食事の時間は、昼は14時、夜は22時頃から始まる。

アルカサールからすぐ傍のサンタ・クルス広場(Plaza Santa Cruz)は、スペインの代表的な画家ムリーリョが生まれた場所。 サンタ・テレサ通り(Calle Santa Teresa)にあるその生家は、小さな博物館にもなっている。
その近くには、メゾン・デル・モーロ(Mezon del Moro)、ドーリア・エルヴィラ広場(Plaza Do'ria Elvila)、レイエスの聖母広場(Plaza Virgin de los Reyes)などの見所もあり、 オレンジの木の下を巡ってのこの散策コースは、まるで夢の世界に来たような雰囲気を与えてくれる。
セビリアでのおすすめのお土産物はは、タイル、フラメンコ関連グッズ、闘牛関連グッズ、手工芸品などで、 サン・フランシスコ広場とシェルペス通り、ヌエヴァ広場、 エンカルナシオン広場に、その土産物屋さんが集まっている。
多くの店は月曜日から金曜日の 10:00~14:00、17:00~20:00(土曜は14時まで)までオープン。

スペイン旅行では、カトリックとイスラムの遺産を同時に見ることができる。 イスラムの遺産であるアルカサール宮殿 のすぐ隣には、キリスト教の文化遺産の大聖堂と、ヒラルダ(風見)の塔が並び建ち、 散策コースの目玉となっている。 アルカサール宮殿は、レオンの門(Puerta del Leon)から入り、モンテリアの中庭へ続き、その奥が宮殿の主要部分、ムデハル宮殿。
ムデハル宮殿は、ドンセラスの中庭(Patio de las Doncellas)を中心に大使の広間(Salo'n de Emabajadores)、カルロス5世の間(Salo'n del techo de Carlos v)、 王の寝室(Alcoba real)が3方を囲んでいる。 もうひとつの静かなムネカスの中庭(Patio de las Mun'ecas)の脇には、カトリック王の息子が息を引き取ったといわれる王子の間(Cuarto del Principe)がある。 また、オレンジの木に囲まれたバンデラスの中庭(Patio de Banderas)から眺める大聖堂と、ヒラルダの塔の眺めの美しさは格別な味わいがある。

Jonathan Smith
Chief editor, Magazine

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