ヨーロッパ旅行特集

ヨーロッパの豆知識

ウィーンでのニューイヤー&イブ・コンサートとクリスマス


オーストリアのドイツ語名はOsterreich(オスターライヒ)。
神聖ローマ帝国ハプスブルグ家の都、ナポレオン戦争後のウィーン会議(会議は踊る)、皇帝フランツ・ヨーゼフなど、多くの主人公がウィーンを舞台とした。 年末・年始をウィーンで過ごすウィーン旅行のひとつを紹介したい。

ウィーン市内を巡る

ウィーンへのフライトはオーストリア航空を利用。ドナウ川の上を右旋回してウィーン国際空港に到着。 市内中央ターミナルまでは、バスで20分と近い(20~30分間隔)。 また出発時には、高速道路からターミナルに入る前にフライトの運行状況が表示されているボードがあるので、時間管理が容易になり大変便利。
市内ホテルにチェックインしたら、ウィーン市を囲むリングと呼ばれる道路を走る路面電車にのり、30分ほどかけて一周したい。 オペラ座の前から時計周りに行くと、右側にホーフブルグ宮殿、左側には美術史博物館、中央のマリアテレジア像を挟んで自然史博物館が見える。 右にカーブして左側に見えるのは、ギリシャ神殿風の国会議事堂と、その先にゴシック様式の市庁舎、ウィーン大学と続く。 ドナウ運河まで進み、しばらく運河を左に見て走り、最後は運河を離れて大きく右カーブをして市立公園に入ってくる。 公園の中央にはヨハン・シュトラウス像とベートーベン像が、このあたりは市内の最高級ホテルが並んでいる地域でもある。
市民公園を過ぎると、左手にニューイヤーコンサートで有名な楽友協会(Musik Verein)、 その奥にはウィーン市歴史博物館、華麗なカールスキルヒエ(KarlsKirche)が見え、出発地のオペラ座前に戻ってくる。

ウィーンフィルのニューイヤーコンサートは、チケットの入手が困難だが、 12月31日の大晦日に同じ演目でニューイヤー・イブ・コンサートが、楽友協会で夕刻から行われる。 元日のコンサートと違い世界的に放映されないので、比較的リラックスして演奏されているようだ。

ウィーンフィルの幕開け

2001年のニューイヤー・イブ・コンサートと、2002年のニューイヤーコンサートの指揮者は、現在ウィーン国立歌劇場指揮者を務める小澤征爾だった。 曲目は、ヨハンシュトラウス2世作曲の喜歌劇「こうもり」序曲からはじまり、最後のヨハン・シュトラウス1世作曲の「ラデツキー行進曲」まで、全15曲の演奏。 全曲中で個人的に印象が残っているのは、11曲目のヨハン・シュトラウス2世作曲の「ウィーン気質」の中で、第一バイオリンとビオラの掛け合いの演奏部分で、余りの美しい響きは今でも耳に残っている。
コンサートも最高潮に達するのが、最後から2番目に演奏する「美しき青きドナウ」。 最初の導入部の響を聞くだけで一斉の拍手。
各奏者とコンサートマスターからと挨拶があり、指揮者小澤征爾への礼共々一際拍手が大きかった。 そして最後は、聴衆も拍手で参加する定番の「ラデツキー行進曲」で華々しい演奏会の幕が閉じる。 演奏会のあとはホテルザッハー1階のカフェで、ザッハートルテとウインナーコーヒーで休息。

新年の初詣はリングの中心、旧市街インネレ・シュタット(Innere Stadt)の聖シュテファン寺院(Stephansdom)。 リングを周遊した出発地のオペラ座を基点に、ブティック、レストラン、ホテル、ショップが並び、大道芸人も多い。 市内一番の繁華街、ケルントナー通り(Karntner Strasse)をゆっくり15分ほど歩くと到着。 奥の主祭壇(Main Alter)、その左の聖女バルバラの教会、入口右の聖エリギウスの教会に礼拝し、 エリギウス教会前でローソクに点火して新年の安全と健康を祈る(5月から11月までは午後8時にオルガンコンサートが行われる)。

Jonathan Smith
Chief editor, Magazine

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