ヨーロッパ旅行特集

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要塞の地中海港町:ポルトヴェーネレの魅力


ポルトヴェーネレ

リヴィエラ海岸の世界遺産、チンクエテッレ(5つの村)の最南のリオマッジョーレを船で通過。 小さな半島を迂回して入り江に入ると、ポルトヴェーネレ(ヴィーナスの港)という粋な名前の港町がある。

ポルトヴェーネレ観光の見所

ポルトヴェーネレは中世の1119年から1290年のジェノヴァとピサの紛争時代、北のジェノヴァ側の砦が築かれた歴史をもつ港町。 今ではポルトヴェーネレの街自体の観光と、チンクエテッレの出入口となっている。 ポルトヴェーネレと、港のすぐ沖合いから順番に3つ並んだ小島、パルマリア島(Palmaria)、ティーノ島(Tino)、ティネット島(Thinetto)をあわせて世界遺産に指定されている。
イタリア旅行も、ローマやルネッサンスの歴史、文化、ヴェネチアの喧騒からひと時離れて、美しい地方の港街の散策で現地の生活に触れてみたい。

ポルトヴェーネレへの交通手段

道路はリオマッジョーレから峠を越えて、イタリアの軍港ラ・スペッチア(La Spezia)に下り、そこから岬の先端ポルトヴェーネレに向かう。 ポルトヴェーネレからは列車(IC)で約2時間でラ・スペッチア到着、そこからバスで40~50分、車で20分程で岬の先端ポルトヴェーネレに着く。

1160年に造られたポルトヴェーネレ街の門を入り、12世紀からの街並みがあるジョヴァンニ・カペリーニ通り(Carrugio)の細い坂道を、岬に向かって20分ほどぶらぶらと歩く。 家の隣同士はピッタリと寄せ合っているのは防衛のため。 ポルトヴェーネレの街全体が要塞の目的で作られたとも思える。
家並みが終わり、岬の突端まで続く古代の道を上ると、6世紀ごろ建設され、1256~57年にドロミテ渓谷の石灰岩ドロマイトを使って再建されたサン・ピエトロ教会と、その脇のビザンチン時代の小さな城にたどりつく。 ブロンズに銀の細工を施した教会の正門は1992年、彫刻家 レッロ・スコルツエリによって製作された。 教会から眺めるリグニアの海は、日本の岬のはずれの灯台から眺める海とは違った味わいがある。

ポルトヴェーネレでの食事と買物

漁船、遊覧船、個人のボートが浮かぶ小さな港にはカラフルな家とレストランやバール(カフェ)が並んでいる。 中世の門の前にある トラットリア・トレ・トッリ(Trattoria Tre Torri:3つの塔)は綺麗で料理もおいしい。

パルマリア島のビーチ

ポルトヴェーネレから、フェリーや海上タクシーで行くことができる。 ティーノ島は現在、軍事地域で9月13日のSan Venerioの祝日のみ入島可。 ティネット島には6世紀の修道院があるが、軍事地域で上陸できない。 ポルトヴェーネレのホテルに泊まり、チンクエテッレを見て、世界遺産パルマリア島のビーチで泳いでひと時を過ごすのも、思い出になるのでは。

ポルトヴェーネレからの帰り道

ポルトヴェーネレからフィレンツェに列車で戻る途中ヴィアレッジョで下車。 バスでトッレ・デルラゴ(Torre del Lago)と呼ばれる湖へ行くと、ほとりに作曲家 ジャコモ・プッチーニの別荘(Villa Pucchini) を見学できる。 マダム・バタフライ、トスカ、ラ・ボエムなど有名なオペラはここで作曲された。 音楽ファンは是非訪れてみたい場所。ラ・スペッチアから普通列車で約45分、フィレンツェから同じく1時間50分ほど。

Jonathan Smith
Chief editor, Magazine

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