ロンドンの町巡りは地下鉄が便利。
有名観光地や美術館は殆どゾーン1の中にあります。
ロンドンの地下鉄は第二次世界大戦の防空壕にも使われたとのことで、ピカデリー駅は長いエスカレーターを2~3階乗り換え相当地下深く降りていきます。
ロンドンの地下鉄は、世界最初のものとして有名です。
1850年代、イギリス郊外からの鉄道は、建物の密集しているロンドン中心部まで乗り入れることができず、各ターミナルが中心から離れて環状に配列されていました。
当時は、地方から到着した乗客は中心まで馬車を利用していましたが、そこで考えられたのがこの地下鉄でした。
2005年7月7日、朝のラッシュ時のロンドンの地下鉄3本とニ階建てバス1台がほぼ同時に爆破され、約40人が死亡、1000人以上が負傷しました。
イギリス本土が、始めてアルカイダと思われるテロ組織による攻撃を受けた事件も記憶に新しいです。
ロンドンのピカデリーサーカス傍には、5つ星のメリディアン・ピカデリーホテル があります。
ホテルは昼と夜でその顔を変えますが、特に音については全く違います。
昼は町全体が喧騒としているので、それらの部屋の広場側に通されると眺めがよく、味わいを感じますが、ひとたび回りも静かになると煩いのは人と車が集まる広場だけ。
車の音、緊急車両のサイレン、人の声、(パリでは早朝から映画撮影)など相当なものです。
5つ星でさえ、あまりのことに、深夜部屋を変えてもらったこともありました。
音に敏感なかたは、チェックインのとき、広場側か、眺めがわるくても奥まったところか、よく考えることをお勧めします。
(ベルリンのクーダムにあるスタンダードホテルに泊まったときは、夜になるとホテルの周りが、SEXSHOPのピンクの灯りばかり。
立地も部屋の綺麗さも、料金もよかったのに、この環境で仕入れを断念しました。)
ロンドン自由行動の過ごし方として、 テートブリテンを紹介します。
大英博物館へは誰もが行きますが、ここへ行く日本人はあまり多くありません。
絵画好きのみならず、ここのラファエロ前派(The Pre-Raphaelite Brotherhood) の絵画は、本当に一見の価値あります。
是非一度訪ねてみてください。
ルネッサンス期のヨーロッパ人のハートに、きっと胸が締め付けられる思いがするでしょう。
この美術館にはイギリスの代表的な風景画家ターナーの絵が多く所蔵されていますが、それよりも是非見たいと思ったものは、ラファエロ前派の絵です。
ラファエロ前派は、1848年ロンドンで結成された7名の芸術家グループ。
ラファエロ以降の数世紀、天才ラファエロのあまりに凄すぎるテクニックに影響された形式的な絵や、また、社会や政治に影響された平凡・不毛な芸術を否定した、王立美術学校の生徒たちが作った、いわば【7人の侍グループ】です。
彼らは、ヴィクトリア朝の伝統的芸術を出発点とし、「ラファエロ以前のルネッサンスの精神に戻って、自然の人間をリアルを描こう!」と言って立ち上がりました。
ラファエロ前派の絵の主題は、シェークスピアやアーサー王物語など、英国の人々に身近な素材からピックアップしていたようです。
テート(Tate)に関連する美術館は他に、
150年前の絵ですが、今も宝石のような色合いを残し、緑の光を放っています。
オフィーリアは、シェイクスピアの「ハムレット」に登場する悲劇のヒロインです。
その最後の死の場面をミレイは描きました。悲劇の物語をかくも美しい一枚に仕上げた天才画家ミレイ。22歳の時でした。
しかし、この絵にはもう一つの悲劇の物語が隠されていました。
オフィーリアのみならず、そのモデルとなったこの女性にも又、同じ運命が待ち受けていたのです。
モデルの名は、エリザベス・シダル。
エリザベスは、ラファエル前派の仲間うちでは、アイドルのような存在で、 後に同じラファエル前派の画家ロセッティの妻となったが、 オフィーリアと同じように、自殺とも事故とも知れぬ悲劇の死を遂げてしまいました。