ヨーロッパ旅行特集

ヨーロッパの豆知識

キリスト教ゆかりの地 【ノルマンディー モン・サン・ミッシェル修道院】


モン・サン・ミッシェルはノルマンディー半島の西の付け根にあたる所にある要塞のような大修道院で、宮崎駿の天空の城ラピュタのモデルにもなった島です。

立ち寄りスポット

モン・サン・ミッシェルは対岸から伸びる1本の道路に続く海のなかの要塞です。 バスや車ですぐ下の駐車場まで行きますが、ここからが大変。 足腰に自信のない人には相当きつい、急な山道を登っていきます。
参道の両側には食べもの屋と土産物屋の露天が所狭しとならんでいて、ちょっと興ざめですが、修道院入り口の料金所まで約55m登りますので、冷やかしながらユックリ登ってください。 そこから修道院と付属の教会まで急な坂道をさらに登っていきます。
登り終えたら西のテラス(海面より約101m)にでると湾が一望に眺めて最高! ここでの満潮時と干潮時の水位差は15mもあり、今は堤防が出来ましたが 昔はうっかりすると帰れなくなったそうです。 振り向くと1897年に完成したネオ・ゴシック様式の尖塔と鐘楼、最先端に金メッキを施されたミカエルの像が輝いて見えます。
帰りは上りと同じ大通を通らず、道の店の裏側(海側)の要塞を囲む外壁の塔とそれを結ぶ石畳の狭い道を歩くことをお勧めします。 海を眺め今いたばかりの修道院を見上げるとその大きさが目に焼きつきます。
旅の味わいの一つ、今来た道を振り返るてみること。全く違った景色が目にはいります。

天使の軍団長であるミカエルはヨハネの黙示録に登場し、あらゆる天使の中で最高の地位と格を持つ天使とされ、悪魔の象徴である竜と戦いそれを打ち倒します。
未来への不安をいだきながら生きていた中世の人々にとって、ミカエルは死者を導き、最後の審判を迎えた日の魂を癒すとされました。 モン・サン・ミッシェルの始まりはアブランシュの司教オベールにより聖堂がトンブ山に建設された708年とされ,1979年世界遺産に指定されました。

ノルマンディー半島先端は映画で有名なシェルブールが、東側はユタ、オマハなど第二次世界大戦で連合軍が上陸した海岸があります。 そのひとつユタ海岸を訪れましたが、そこは白い砂のとてつもなく広い海岸で、上陸用舟艇を使った大兵力が上陸するにはここしかないとの印象でした。
ドーバー海峡をはさんで、イギリスとの距離が近いブローニュやカレーの海岸は、岩場が多く上陸には不向きだったようです。 草むらのあちこちにドイツ軍のトーチカ跡が散在し、戦争の跡が今でも残っています。

モン・サン・ミッシェルに宿泊するのであれば、ANAハローツアー のホテル「ルレ・サン・ミッシェル(Relais Saint Michel Hotel Le Mont St Michel)」が お勧め。 目の前に夜はライトアップされ、朝は澄んだ空気のなかに、1本の道が島に続いているモン・サン・ミッシェルの全景を部屋のベランダに座って眺めることができます。 申込み時に島側の部屋がOKか確認したほうがいいです。 反対側はホテルとレストランが散在しているだけで、門前町の情緒は島の方にあります。 また個人でルレ・サン・ミッシェルを予約するときは、モン・サン・ミッシェルがよく見える2階以上の部屋と指定してください。 但し、フロントに向かって左手にある眺めのよい部屋はグレードアップの部屋と なっていますので料金も高くなります。

【名物にうまいモノなし】

食事は名物のオムレツですが、ほとんどのツアーの夕食メニューに入っているようです。 オムレツは、モン・サン・ミッシェルの名物。 巡礼する人たちのために、少ない材料で、ボリュームある料理を、と言う理由で作られはじめたそうです。 期待しないほうがいいけど、土産話に是非ご賞味を。

各社のツアーコースを比較しますと、宿泊地もモン・サン・ミッシェルにするコースとモン・サン・ミッシェルは観光だけで、その後城砦に囲まれた都市サン・マロやノルマンディーを北上し有数のリゾート地であるドーヴィルに宿泊するコースに別かれます。 町の風情からすると、町を囲む城砦のなかの石畳の道や城砦にのぼり潮の香りの中の散策が楽しいサン・マロ、ヨーロッパの明るく、綺麗でセンスのよい海岸の高級リゾート地ドーヴィル、そして聖地モン・サン・ミッシェルの威風堂々とした姿などどれも魅力ある場所といえます。

Jonathan Smith
Chief editor, Magazine

中欧のプラハ、ブダペストも素敵です