世界的に有名な磁器の発祥地【マイセン】とザクセン王国の古都【ドレスデン】は、東欧の最も東側に位置する。 ルターの町ヴィテンベルグとは、同じエルベ川流域にある。音楽の町ライプチヒからドレスデンまでは、国内特急列車でおよそ1時間の距離。
マイセンはドレスデンから普通列車に乗り換えて揺られることおよそ40分。ドイツのローカル色を思う存分満喫できる列車の旅だ。
17世紀から18世紀、ヨーロッパには磁器を作る技術はなかった。
その当時、地域を治めていたアウグスト2世は、ドイツ人のヨハン・フリードリッヒ・ベドガーに命じ、製法の秘密がもれないようマイセンの頂に建つアルブレヒト城で研究を行わせ、1710年に完成させ城のなかで製作が開始された。
ベドガーが実験室で働く姿、彼を訪れたアウグスト強王の姿。
19世紀に描かれた2枚の壁画がその当時を物語っている。
アルブレヒト城は町の小高い丘の上にあり、坂が結構急だ。
到着した駅からは徒歩30分程度。
丘の頂上には城とゴシック様式の教会があり、城の裏手からは町とエルベ川が一望できる。
マイセン磁器製作所を訪れるとまず、およそ30分の見学ツアーで歴史と行程が説明される。
そのあと建物内のショップで買物もOK。
コーヒーカップで夜明けのコーヒーを飲みたい人は2脚で1万円前後で買うことができる。
マイセン磁器の商標は、製品の底につけられた十字の双剣マーク(マイセンクロイツ)。
年代によってのデザインの変化もおもしろい。
ゆっくりマイセンを見たい方は、エルベ川を挟んだ対岸にあるメルキュール・グランドホテルがおすすめ。
ヨーロッパ調の落ち着いた雰囲気はシニアにピッタリ。
レストランはマルクト広場のヴィンセンツ・リヒターが有名。
予約が必要だが、ここ以外にもエルベ川沿いには鱒などの魚料理を安くたべられるレストランが並んでいる。
マイセン発の普通列車に乗り、エルベ川が流れるドレスデンに到着。
川の下流に向かって左岸が旧市街(Alt Stadt)、右岸が新市街(Neu Stadt)だ。
町のシンボルは新市街のマルクト広場にあるアウグストの黄金の騎馬像。
旧マルクト広場にある聖十字架教会は700年余の伝統を誇る聖十字架教会少年合唱団の本拠地である。
そこからエルベ川に向かって歩くと新マルクト広場の聖母教会が見えてくる。
聖母教会はドイツのプロテスタント教会として重要なものとして有名。
すぐ傍にはエルベ川が流れ、ヨーロッパのバルコニーと呼ばれるブリュールのテラスが広がり観光客や市民の憩いの場としてにぎわう。
ドレスデンには昔から、さまざまな芸術が点在している。 それをいくつか紹介しよう。
●シラーの詩:ベートーヴェンの交響曲第9番ニ短調合唱付に使われている喜びの歌として有名なこの詩は、ドレスデンで書かれたものといわれる。
●森鴎外の小説「文づかひ」:ドレスデンを舞台にしている。
●イタリアの画家カナレット:有名な「ドレスデンの眺望」を描いた。
ドレスデンのツヴィンガー宮殿は、アウグスト2世の時代にまでさかのぼるバロック建築の傑作として世界中で有名です。
ツヴィンガー宮殿は、1719年に貴族の社交場として建築され、その後壮大なコレクションを収容する博物館として最終的に完成しました。
現在、宮殿内のほとんどの部屋に陳列されている、世界最大級のドレスデン磁器コレクションの美術館として公開されています。
ギャラリーには、ラファエロのシスティーナの聖母を含む、ルネッサンスからバロック時代までの世界的に重要な絵画のコレクションが展示されています。
庭園のバロック様式の噴水も見ものです。
旧マルクト広場では、屋台でソーセージやミルクがおすすめ。
世界一美しいミルク屋さんといわれているプフンズ・モルケレイ。
タイル画で飾られてた店内とチーズの豊富さに驚き。
旧マルクト広場で忘れてならないのはドイツ最古のクリスマス市。
毎年11月下旬から12月24日まで開催。
クリスマス市は広場の中心にクリスマスツリーが輝く。
広場全てを埋め尽くすようにソーセージ店やアンティーク店などが並ぶ。