ヨーロッパ旅行特集

ヨーロッパの豆知識

大自然のテーマパーク 北イタリアのドロミテ山脈


ヨーロッパ最後の秘境と言われる北イタリアのドロミテ渓谷。
ヨーロッパで最も美しい景色のひとつのドロミテ山塊は、雨が大地を破壊した芸術品。街道を走ると、これでもかと奇岩が次々に現れる。まるで大自然のテーマパーク。
「クリフハンガー」の撮影地、そして猪谷千春選手が銀メダルを取ったスキー場です。

立ち寄りスポット:ドロミテまでドライブ

ドロミテ(Dolomite)はオーストリアのアルプスの間にある、箱庭のような渓谷美。 ドロミテの名前はここを探検したフランスの地質学者ドロミューに因む。 アンモナイトや貝の化石が発見されるので、2~3億年前に海底に堆積した石灰質岩(ドロマイト)がプレートテクトニクス(造山運動や地震のメカニック)の結果隆起したものだとわかる。 岩壁は長年の風水の侵食と破壊にさらされて、今私たちに美しい姿を見せている。
ヴェネチアの北約200kmにあるコルティナ・ダンペッツォがドロミテ街道の東の玄関口。西はボルツァノから。 ドロミテ街道に沿った見所の峠(Passo)には山小屋風の休憩所や食事場所がある。 そこからケーブルカー(Funivia)やスキーリフトで岩壁の頂上をめがけて一気に上る。これがまた気持ちいい。 頂上ではハイキングコースが整備されているところもある。 ドロミテ渓谷の岩壁は、どれも個性的な形をしていて飽きない。 カメラで撮影してみても、いい思い出になるだろう。
大自然に囲まれたドロミテはアクティブシニアの旅として絶対おすすめ。 日本発のツアーは滅多にないので、レンタカーを借りて心行くまで楽しみたい場所だ。

ソットカステッロ(Sottocastello)で道が左右に分かれるが、最後は山道になり、眺めの良い右に折れる。 道順にあるカテリーナ(Caterina)湖が見渡せるレストランで休憩。 ドロミテに到着したら、最初に道順にあるミズリーナ(Mizurina)湖に行ってみたい。
山に囲まれた湖の周りは、静かで大変清々しい1時間ほどの散策コースもある。 湖から車で15分ほど奥にある、いまにも崩れそうな超巨大な3本の岩壁トレ・チェーメ(Tre Cheme)には驚きの一言。

ドロミテ街道の東の玄関コルティナ ダンペッツォは、1956年の冬季オリンピックの開催地として国際的に有名になった観光地であり、ヴェネチアとオーストリアのインスブルックを結ぶ要衝でもある。
ボイテ川沿いに細長く伸びた町の中心は、イタリア通り(Corso Italia)とイタリア広場((Piazza Italia)でホテル、レストラン、土産店が並んでいる。 といってもゆっくり歩いても15分程の町並み。 通りの終点には18世紀の聖フィリッポ・ジャコモ教会、19世紀の修道院、アルペン記念碑などがある。

クリスタッロ(Cristallo)は トンバ選手の最初の練習場でもあったスキー場で有名。 夏でもスキー用リフトを乗り継ぎ、2,896mにあるロレンチ(Lorenzi)避難小屋まで上ることができる。 コルティナ ダンペッツォの町から車で10分ほどで最初のリフトの乗り口、1,680mにあるリオ ゲーレ(Rio Gere)に到着。
ここはレストランになっているので立ち寄りたい。 そこからゴンドラ式リフトに乗って2,215mにあるソンフォルカ(Son Forca)の山小屋に上る。 山小屋は7月から9月までオープンされ27人まで宿泊可能。
そこから今度は二人乗りのリフトに乗り換え。次の駅までの移動距離は100mほどだが、高地のため息が切れるので注意。 今度は30分以上も二人乗りのリフトにのってロレンチに向かう。もちろん景色は抜群だ。

コルティナ ダンペッツォから曲がりくねった峠を越え、絶景の岩壁がそびえる ドロミテ街道に分け入る。 途中峠(Passo)から岩壁に上り、起伏の少ない道を大パノラマを眺めながら散策するのがアクティブシニアの旅だ。 防寒具、簡単な食料、底の厚い運動靴など、比較的軽装備で廻れる場所も沢山あるので心配はない。 海抜1,224mのコルティナ ダンペッツォを出発して間もなく、左手山の上に5つの奇岩(Cinque Torri)が見える。
そこを過ぎると、最初の峠Passo Falzarego(2,105m)に到着する。 目の前にはTofane(トファーネ)の3,200m級の岩壁群が迫っている。
ここから街道を進むと、ドロミテ最高峰の3,342mの主峰PeniaをいただくMarmolada(マルモラーダ)の大山塊がみえる。 この山塊を迂回して北と南に道が2つに分かれるが、北の街道を行く。

北の街道を行くと、3億年前には海の底にあったドロミテで最も美しい姿のPordoi(ポルドイ)の岩壁が見える。 2,239m のポルドイ峠(Passo Pordoi)に車を置き、目の前の2,950mのポルドイ岩壁(Sasso Pordoi)まで65人乗りのケーブルカーで上がる。 所要時間4分で、山頂のマリア避難小屋(Rifugio Maria)に到着。
そこで一息入れた後、ドロミテの絶景を見ながらのハイキングに向かいたい(5月~10月)。 おすすめのハイキングコースは、2,950mのケーブルカーの駅(マリア避難小屋)を出発して~2,829mのフォルセラ避難小屋へ、 そこから尾根伝いに3,152mのボー山頂(Pizzo Boe)へ向かう。 ここからケーブルカーの駅(マリア避難小屋)へ戻ると、往復3時間のコース。 ボー山頂(Pizzo Boe)からその先のジェラート湖まで30分。 そこで折り返して戻ると4時間コースとなる。 後はケーブルカーで再びポルドイ峠までおりる。

ポルドイ峠(Passo Pordoi)から西南に向かって、大きなファッサ渓谷(Val di Fassa)が走っている。 渓谷にはCanazei(1,460m)、Campitello(1,440m)、Mazzin(1,370m)、Pozza di Fassa(1,320m)、Soraga(1,210m) Moena(1,200m)の町が順に渓谷の斜面を下って点在する。 そこから両脇の岩壁にケーブルカーやリフトで上がる。 ポルドイ岩壁と同じように、ハイキングを楽しむことができる。 これらの町には旅行者用のインフォーメンションセンターがある。 そこでハイキングコースのマップを手にいれることができる。お得な乗物券(Panorama Pass 7日以内で32ユーロ)も販売している。 Canazeiから北西に上がったところにあるセラ峠(Passo Sera)も見逃せない。 ここでは岩壁のパノラマを楽しみながら、草原に寝そべってしばしの休眠をとるのがおすすめ。

ポルドイ岩壁(Sasso Pordoi)までのケーブルカー

必ず帰りのケーブル時間をチェック!

上る前に、ケーブルカーやリフトの下り最終時間を必ず確認すること。 突然止まります。
また昼の休憩時間の確認要。
降りる時間が昼休みと重なると、ケーブルカーが突然止まります。
それも2時間ほどですので注意。
万一それに当たった場合は、最悪歩いて下山ということになります。

ドロミテ街道も終点のボルツアーノ(Bolzano)に向かう。 アディジェ渓谷を高速道路で トレント(Trento)を経由してヴェローナ(Verona)まで南下。 出発地のヴェネチアに戻る。ヴェローナは、川が大きく蛇行した湾曲部にできた町。

ドロミテ街道に出発するヴェネチア滞在型のパッケージはあまりないので、普通は、個人でホテルを 予約しなければならない。
ヴェネチアのホテルの位置は、本島の中心のサンマルコ広場の海側が部屋数も多い高級ホテル、広場周辺は少ない部屋数のホテルが多い。 本島でも駅周辺サンマルコ広場付近のホテルより安価。 そこで、いくつかピックアップしたおすすめの宿泊先を紹介する。

  • リアルト
    本島の大運河が湾曲するあたり。 水の都ヴェネチアの雰囲気が残り、広場にも、駅にも便利なホテル。
  • アレクサンダー
    島の反対側のメストレ地区の駅前にあるホテル。お手ごろな価格で宿泊できます。
  • アントニー
    すっきりとした内装がとても綺麗です。
  • ヴィラ マバパ
    リド島にあるホテル。海に出てリゾート気分を味わいたい方におすすめです。
Jonathan Smith
Chief editor, Magazine

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