ヨーロッパ旅行特集

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ローマ時代の名残が息吹く街【オランジュ】


アヴィニョンの北にオランジュ(オレンジ)と言う、かわいい名前の町がある。
16世紀中ごろ婚姻関係により、オランダとドイツのナッソーを領有するオレンジ公の領地であったためだが、1702年ルイ14世の時代にフランスに統合された。

ローマ軍団の象徴として アウグストゥス皇帝の植民地時代につくられたもので、当初の姿が非常によく保存されている遺跡。
町の北側にその姿をみることができる。 22mの高さがあり、悠然とそびえるその姿からは、現代人の我々からは計り知れない重みを感じ、思わず立ち尽くしてしまう。
壁面には、当時の戦いのときのレリーフが彫刻されている。 それがなんともいえず芸術性豊かであり、その背景にあるローマ軍団に思いをはせることができる。

舞台背後の長さ103m、高さ36m装飾壁は、ルイ14世に「自分の王国で最も美しい壁」と言わしめたローマ劇場。
計算され尽くしたそのフォルムは、圧巻である。 1971年以来、夏にはここでオペラやコンサートが催されている。
ローマ帝国の植民地の都市にはローマ劇場の遺跡が残っている。 石造りの劇場が作られたのは紀元前55年以降、背後の装飾壁とその前の舞台、観客席はオルケストラと呼ばれる半円形の貴賓席を同心円で囲み、だんだん高くなっていく姿が美しい。 観客席は1万から1万5千人と言われている。

Jonathan Smith
Chief editor, Magazine

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